群馬県藤岡市の農家や主婦らでつくる粉食文化の研究開発グループが、地元産有機小麦と、赤菊芋を使った「赤菊芋入りうどん」を開発し、販売を始めた。群馬の粉食文化を次世代につなぐため、今後も新しい価値を掛け合わせた商品開発に取り組むという。

 グループは、生産者や製麺業者、デザイン会社、カフェ経営者、弁当製造者、宿泊業者などの事業者や大学生ら18人がメンバーで、新たな地域ブランド「konamon Lab.(コナモンラボ)」を立ち上げた。メンバーは、それぞれ本業を持つため、夜間や休日にミーティングを実施したという。

 うどんは、小麦本来の香りが強い藤岡市産小麦「農林61号」と、赤菊芋を使用している。赤菊芋は、血糖値の上昇を抑制する効果があるとされる水溶性食物繊維イヌリンを豊富に含んでいる。

 素材の風味を生かすため大正期創業の製麺所で伝統の自然乾燥製法を用いて製麺した。細麺だがコシが強く、もちもちした食感が特徴だという。

 昨年12月に実施した試験販売では約200袋を完売するなど高い評価を得ている。商品は、道の駅ららん藤岡、小麦生産者、上州百姓米達磨のインターネットサイトで販売されている。

 グループは今後も粉食文化の普及につながる商品開発に取り組む予定だ。グループ代表の上原東さんは「私たちは同じ地域に住む人たちが、立場や年代を超えて生産、加工、販売、消費などで一緒に活動できる関係を築き、粉食文化の次世代への継承をめざします」と話している。(角津栄一)

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