薬の用法や用量を守らず運転したことによるとみられる、交通死亡事故が後を絶たない。札幌市では5月、9歳の男児の命が奪われた。運転手が持病の治療薬の使用上の注意を守らず、意識障害に陥り、事故を起こしていた。
運転に十分な注意を求められている薬の成分は400種類以上。ただ、甘い認識を持つ人も少なくない。
「脇見運転じゃなかったんですか?」。西田圭さん(49)は、警察官の説明に耳を疑った。
5月16日朝、小学校への登校中、青信号で横断歩道を渡っていた三男・倖(こう)さん(当時9)がワゴン車にはねられ死亡した。北海道警によると、運転手の男(65)は当初、「信号を確認していなかった」と説明していた。
しかしその後の捜査で、現場にブレーキ痕がなく、周囲の車のドライブレコーダーの映像などから、男は意識を失っていたとみられることがわかった。
札幌地裁判決などによると…