ネーションズリーグの準決勝に向けて練習する小川智大=2024年6月28日、ウッジ、加藤秀彬撮影
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 6月23日、夜。

 バレーボール日本代表のフィリップ・ブラン監督は、選手、スタッフ全員を集めた。

 ネーションズリーグ第3週、フィリピンの宿舎でのことだ。

 翌日の代表発表会見を前に、パリ五輪に挑むメンバーをチームに伝えた。

 守備の要であるリベロに選ばれたのは、山本智大。たった一つの枠を争っていた小川智大は落選した。

 小川は、わき上がる感情に頭がついてこなかった。その日のことは、よく思い出せない。

 「ごめんな」。スタッフからはそう謝られた。

 ブラン監督が最後まで悩んだのがリベロの選考だった。

 「日本には今、世界一のリベロが2人いる。その中から1人を選ばれなくてはいけなかった」

 バレーボールの国際大会では…

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