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2024年7月5日、総選挙に圧勝し、英首相官邸に拍手で迎えられるスターマー首相と妻のビクトリアさん。代表撮影=ロイター

 7月の総選挙で政権交代を実現したばかりの英国のスターマー首相(労働党)と周辺に「政治とカネ」の問題が浮上し、厳しい批判を受けている。就任からまだ2カ月半だが、支持率も下がり、前途多難だ。

  • 労働党勝利の原動力 「退屈さ」が武器だった

 一連の問題は今月15日、英紙サンデー・タイムズの報道を機に始まった。スターマー氏の妻ビクトリアさんが7月ごろ、上院(貴族院)議員でもある大富豪から高級な衣服の贈答を受けたにもかかわらず、議員規則に反して申告をしていなかったという内容だった。

 英メディアはその後、スターマー氏がこの大富豪から得てきた利益について次々に報道。2019年12月以降で総額は10万ポンド(約1900万円)を超え、米有名歌手テイラー・スウィフトさんのコンサートやサッカーの試合のチケット、宿泊費や眼鏡代が含まれていたという。

 英紙テレグラフによると、スターマー氏は総選挙の期間中や投票日の夜も、同じ大富豪が所有する豪邸で過ごした。大富豪に過去に首相官邸に出入りできるパスが付与されていたことも、市民の反感を買う要因となった。

違法ではないが…

 英国では正しく申告すれば…

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