投票を呼びかけるチラシを学生に手渡すTCUE投票ファクトリーのメンバー(右)=2024年10月18日午後0時2分、高崎市上並榎町、星井麻紀撮影

 【群馬】若者の投票率はどうしたら上がるのか――。27日投開票の衆院選を前に、高崎経済大で政治学を学ぶ学生たちが啓発活動に取り組んでいる。

 「選挙の啓発活動をしています。よかったら受け取って下さい」「期日前投票、始まってますよ!」。18日のお昼時、高崎市上並榎町の高崎経済大キャンパス。同大の増田正教授(政治学)のゼミ生を中心に活動している「TCUE投票ファクトリー」のメンバーが、教室から食堂やカフェへと移動する学生たちに投票を呼びかける県選管のチラシを手渡した。

 学生の中には無視して通り過ぎる人や「何の選挙ですか?」と言う人も。「結構、受け取ってもらえない。興味ないみたい」。メンバーの3年生、平山蒼士さん(20)は悔しがる。馬場優人さん(20)は「政治というと堅いイメージなので、ノリよく話しかけて手渡しました」。

 なぜ若者は投票に行かないのか。授業で考えた仮説は、投票に行く心理的なハードルが高いのではないかということだ。選挙に行くのは面倒だ。政治は怖い。誰に投票したらいいのかわからない。さらに、「投票に行っても自分の生活は何も変わらないという学生が多い」と大河原拓弥さん(20)は推測する。

 ハードルを下げようと、今回初めて同市鞘町のカフェ「あすなろ」とのコラボを始める。大学生限定で、投票済証明書を店に持参すれば、27日から3カ月間、何回でも50円引き券がもらえる仕組みだ。割引のお得感が選挙と向き合うきっかけになればと期待する。

 投開票日まで残る時間は少ないが、候補者インタビューによるショート動画や校内放送、JR高崎駅での啓発活動など、メンバーたちはギリギリまで動き回る。代表の菊地颯さん(21)は、身の回りの小さな不満に目を向けてみて、と話す。「不満を解決するのも政治の役割。日本は代議制民主主義。自分の代わりを他の人の一票が決めていくのは何か違う」と話していた。(星井麻紀)

共有
Exit mobile version