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「新春浅草歌舞伎」に出演する、前列左から中村鶴松、中村玉太郎。後列左から市川染五郎、中村莟玉、中村橋之助、中村鷹之資、尾上左近=11月、東京都内

 若手の登竜門「新春浅草歌舞伎」が、2025年1月も東京・浅草の浅草公会堂で開かれる。世代交代したメンバーで、古典の大作に挑む。

 「新春浅草歌舞伎」に出演する若手7人中、4人は初参加だ。「絵本太功記(えほんたいこうき) 尼ケ崎閑居の場」(通称「太十」)の主人公・武智光秀を、第1部では市川染五郎、第2部では中村橋之助が演じる。

 浅草歌舞伎への出演は7度目の橋之助。今年に続き出演することが分かった時は「プレッシャーを受けながらも、アドレナリンを感じた」と振り返る。

 「僕自身、真ん中が似合う、どしっとした立役(たちやく)を目指している。光秀は通っていかなければいけないお役ですし、体当たりで勤めたい」。

 光秀を演じた経験のある父・中村芝翫からは「『体当たりでぶつかるしかない』という感情を知った上で、40、50代になった時に、その感情を表現する技術を持って役に挑める。そういう機会を頂けるのは、うらやましい」と言われたという。

 今回はリーダー格を務める。「お客様の明日の活力になるようなパワーあふれる公演にしたい」と意気込む。

 初参加の染五郎はここ数年…

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