ピアノで和音を鳴らしながら曲の構造について説明する伊藤士恩さん=2025年2月13日、愛知県刈谷市、河原田慎一撮影

 2025年度の全日本吹奏楽コンクールの課題曲Ⅲに、愛知教育大4年の伊藤士恩さん(22)が作曲した「マーチ『メモリーズ・リフレイン』」が選ばれた。いわゆる「課題曲マーチ」の形式に沿って書かれた作品だが、そこにはいくつもの「こだわり」があるという。作品に込めた思いと、演奏のポイントについて、伊藤さんに聞いた。

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ポップスの影響も

 ――「リフレイン」という名前の通り、冒頭にある二つのモチーフが曲の中で何度も登場します。

 しつこく繰り返すことには、こだわりました。楽器の組み合わせや和音、音型を変えながら繰り返す。しつこさはどんどん増幅していきます。「リフレイン」をコンセプトにして、全体ができあがりました。

 ――「繰り返し」はポップスの影響を受けているのでしょうか。

 はやりの曲には、繰り返しやお決まりの和声進行が出てきます。そこには(コードを置き換える)リハーモナイズなどの面白みがあります。クラシック音楽として書いた作品ですが、自分の「味」や「個性」として、そうした要素も入れようと考えました。

 ――ポップスの影響を受けるようになったのはいつごろですか。

 中学生の頃は吹奏楽部に入り…

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