出入り口に「自分で動かすドア」と記された紙が貼られている=2025年1月20日、山梨県鳴沢村、池田拓哉撮影

 富士山のふもとにある「道の駅なるさわ」(山梨県鳴沢村)がユーモアたっぷりの貼り紙で客を出迎えている。出入り口に大きな字で「自動ドア」。でも、よく見ると「自分で動かすドア」と書いてある。

 約2年前に新設したドアで、自動化を検討したが予算が足りずに断念。すると、開けっ放しが目立つ状態が続いた。

 少しでも冷暖房の無駄を抑えようと、館長の小林大亮さん(37)は客に開け閉めへの協力を求めることにした。「『ドアは閉めて下さい』など硬い表現より、くすっと笑える印象的なお願いの方法がないか考えました」

 そこで昨春、この貼り紙をつけた。

 客からは「面白いね」と評判上々。ドアをスマホで撮影する人も多い。たまにドアの前で立ち止まり、「なんだ、自分で動かすのかよ」「紛らわしいなあ」とつぶやいて店を出る客もいるという。

 小林さんは「きちんと閉めて頂けるようになりました」と効果に満足そう。猛暑だった昨夏は「おばちゃんたち 溶けだしてます」のフレーズと、女性従業員たちの似顔絵を添えたポスターを一緒に貼りだした。

 ユーモアあふれるお願い「第2弾」の計画も進行中で、駐車禁止のスペースにオートバイを止められないよう対策を検討しているという。

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