膵がんとの関連が高い遺伝子

 がんの原因となる遺伝子(ゲノム)の変化をみつけ、その人のがんに効く薬を使うゲノム医療は膵(すい)がんでも注目されている。

 がん組織や血液から、100種以上の遺伝子の変異を解析できる検査は「がんゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)」と呼ばれる。がんゲノム医療中核拠点病院など全国の277施設で受けられ費用は56万円。

 公的医療保険が適用されているが、対象となるには、全身状態や臓器の機能が保たれ検査後に治療できる可能性が高い▽がんが進行または転移があり、標準治療が終了したか終了が見込まれる――の条件を満たす必要がある。

治療薬、膵がんでは3%

 検査を受けて治療薬にたどりつく割合は、全がん種で約1割。国立がん研究センター中央病院が2024年6月までに登録した膵がん398例では、約3%の13例だった。

 患者・市民のための膵がん診療ガイドによると、膵がんでみつかる変異の代表例は、90%の頻度のKRASや70%のTP53、20~40%のCDKN2Aなど。ただ、これらを標的にした有効な治療薬は確立していない。一方で、見つかる頻度は低いものの、対応する薬を保険診療で使えるNTRK融合遺伝子やMSI―High、BRAFといった変異もある。

見つかっても、治療できない人も

 結果が出るまでに4~6週間…

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