完売を示す「千里浜ヒルズ」の看板=2024年9月17日午前8時34分、石川県羽咋市千里浜町、安田琢典撮影

 能登半島地震で被害が大きかった奥能登と、県都・金沢市の「ほぼ中間」に位置する石川県羽咋市。人口2万人に満たない小さな地方都市だが、転入から転出を差し引いた2023年度の「社会動態」が、記録が残る1977年度以降、初めてプラスに転じた。何が起きているのだろうか。

 市まちづくり課によると、23年度の同市の転入者は前年度比32人増の562人。転出者は47人減の548人で、14人の「社会増」となった。

 県内の市町別でみると、同市への転入超過が最も多かったのは七尾市の40人。中能登町の19人、志賀町の18人が続く。

 転入増の一翼を担ったのが、羽咋市が造成した宅地分譲だ。

 のと里山海道の千里浜インターチェンジの近くに24区画を造成し、23年2月に分譲を始めた「千里浜ヒルズ」は1年で完売した。国内唯一の車が走れる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」も徒歩圏にあり、30~40代の子育て世帯の人気が高い。追加造成し、今年3月下旬に分譲を始めた2期分の28区画は、2カ月もたたないうちに売り切れた。

空き家バンクの成約も好調

 市内の空き家を登録し、情報…

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