訪問看護ステーション「リベルタ能登」のエリアマネージャーで、看護師の中村悦子さん

 能登半島地震からまもなく1年となる。被災地は、9月には豪雨で二重災害に見舞われた。仮設住宅の建設は進むが、被災者の暮らしはどうなっているのか。石川県輪島市の看護師、中村悦子さんに現状を聞いた。

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 生まれ育った石川県輪島市で訪問看護師をしています。元日の地震で自宅が全壊するなど色々なものをなくしました。親の介護や家のことを考えると落ち込むので、なるべく患者さんや被災者の支援のことを考えるようにしています。それでも私は子どもや孫も健康で、お給料をもらい生活できている分、心が折れていないのかなと思います。

 もう震度3くらいの地震では何も感じません。ただ9月の豪雨による二重災害は想定外で、こたえています。泥水に襲われた街を見て、ぞっとしました。地震で大丈夫だった立派な家まで浸水していました。80歳近い私の知り合いは地震で半壊した自宅の畳を入れ替えた翌日に、1階が浸水しました。「もう避難所には行きたくない」と、2階に住んでいます。

 地震から1年近く経ち、課題…

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