東日本大震災で被災した東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の安全対策工事が終わり、9月にも再稼働が見込まれる。防潮堤のかさ上げや耐震工事で安全性を強調する一方、「能登」の教訓と重なる半島の住民の避難計画は不安を抱えたままだ。
太平洋に突き出た宮城県北東部の牡鹿(おしか)半島。ノコギリの歯のような「リアス式海岸」が取り囲む約20キロの半島の中ほどに、女川原発はある。
4日夜、原発から北西に約7キロ離れた女川小学校の体育館では、子どもたちがバスケットボールの練習中だった。工事費の一部に原発交付金(約7億円)を充て、体育館は4年前に完成した。町議で、コーチの宮坂千尋さん(29)は「再稼働すれば町がもっと潤う」と期待する。
原発マネーに頼る町 人口は震災前の4割減
町で生まれ育ち、同じ年の夫…