重要インフラへのサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御(ACD)」の導入を強く促す提言を、政府の有識者会議がまとめた。政府は関連法案の提出に向けて準備を進めるが、最大の焦点は憲法21条が定める「通信の秘密」との整合性だ。少数与党に転落した石破政権には、野党との合意形成というハードルも待ち受ける。
29日の所信表明演説で、石破茂首相はACD法案について「可能な限り早期に国会に提出するべく、検討をさらに加速する」と述べ、重要政策課題の一つに位置づけた。
ACDは、岸田政権下の2022年末に閣議決定された国家安全保障戦略で「体制を整備する」と記され、今年6月から政府の有識者会議が法整備に向けた議論を進めてきた。
有識者会議の提言は、サイバ…