小川で生きものを探す子どもたち=2024年6月15日午後2時25分、熊本県相良村、杉浦奈実撮影
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 生きものがあふれる湿地を再生しながら、地域の水害被害を軽減できないか――。2020年の熊本豪雨で大きな被害を受けた球磨川流域にある相良村で、熊本県立大などの取り組みが進んでいる。

 15日、相良村深水の瀬戸堤自然生態園には、県立大の学生のほか、地元の住民や小学生、自然保護団体のメンバーなど約70人が集まった。

 一帯はもともと水田だったが、腰までつかるほど田が深く、機械化が難しかった。1990年代はじめまでに耕作放棄地となり、その後、村が買い取って湿地として整備した。

 元々、全国的に数を減らしているハッチョウトンボや葉の形が漢字の「田」に似た水草デンジソウなどの生きものがくらす地域。ただ、近年は定期的な草刈りこそしていたものの、ヨシが高く茂って土砂がたまり、周辺の竹やぶが広がるなどして明るく開けた水面を好む生きものは数を減らしていた。

 20年の豪雨を機に県立大な…

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