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 よかれと思って職場の若手にアドバイスしたつもりなのに、なぜか疎まれてしまう――。企業研修などを手がける心理カウンセラーの五百田(いおた)達成さん(50)は、こうした事態の背景に「距離感のバグ」があると指摘します。著書「話し方で老害になる人尊敬される人」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)で、コミュニケーションのNG事例をまとめた五百田さんに、若手と接する際の心構えを聞きました。

 ――「距離感のバグ」とはどういうことですか。

 誰かと仕事をするとき、相手によって適切なコミュニケーションの距離感ってありますよね。たとえば上司や社外の取引先とのやりとりでは、多くの人がそれぞれ自然に適切な距離をとれていると思います。

 でも相手が後輩や部下になった瞬間、なぜかこの距離感を見誤ってしまうことが多い。結果、「老害」と疎まれたり、セクハラ・パワハラにつながったりしてしまう。これが距離感のバグです。

 ――どんなパターンがありますか。

 距離感が近くて踏み込みすぎているパターンと、距離感をとりすぎて腫れ物に触るように扱ってしまうパターンの二つがあります。

 踏み込みすぎのパターンは、旧態依然とした部活文化、会社文化の延長です。「俺たちはファミリーだ」「同じ釜の飯を食べてきたんだから隠し事はなしだ」というようなノリですね。

 若手に対して「これやっとけ!」と高圧的な物言いをしたり、「彼女いないの?」とプライベートにがさつに踏み込んだ質問をしたりして、ハラスメントにつながるのはこのパターンです。

「本音はどうでもいい」割り切りも必要

 ――相手のためと思って、距離をつめるケースもあると思います。

 年長者のなかには「本音を聞かせて」「ハラを割って話そう」と若手に迫る人もいますが、これも踏み込み過ぎの例と言えます。

適度な距離感を保つために、どんな意識が必要でしょうか。記事後半では、「世代間ギャップ」の話題を持ち出すデメリットについても考えます。

 立場を超えた信頼関係は一朝…

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