JR美祢線の全線開通100周年を記念した「美祢線 懐かしの写真展」が9日から、山口県美祢市の於福駅と厚保(あつ)駅の両駅舎内で始まる。かつて石炭や石灰石といった貨物輸送の大動脈だった様子をたどることができる。29日まで。
両駅にある地域交流ステーションを運営する二つの地域団体が主催。沿線住民や同線のファンから寄せられた写真をそれぞれ約150点展示する。
美祢線は1905年、厚狭―大嶺間で開業し、24年3月23日に於福―正明市(現・長門市)間が開業し全線開通した。昨年6月末からの大雨で被災し、運休が続いている。
於福駅では、かつて栄えた大嶺駅(廃駅)付近を走る蒸気機関車C58形や石灰石を積んだ貨車を牽引(けんいん)するディーゼル機関車の雄姿、山陽新幹線の厚狭駅設置をめぐり運行された臨時列車「SL寝太郎号」(93年)などの写真を展示。主催団体の一つ、於福地域交流ステーション推進協議会の村田裕子会長(67)は「運休して1年が経とうとしている。美祢線が果たしてきた役割や街のにぎわいを思い出してもらい、復旧への思いを強く持って頂けたら」と話している。
展示は於福で午前9時半~午後3時半、厚保で午前9時~午後4時。(向井光真)