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岡山県津山市は17日、美作大学(同市北園町)の公立化を検討する方針を明らかにした。美作大を運営する学校法人美作学園は少子化の影響などで「学園単独の努力では限界がある」として公立化の検討を要望していた。市はこの日発表した2025年度一般会計当初予算案で関連費用1600万円を計上した。大学存続を「地方創生の核」と位置付けて、検討に乗り出す。
市は25年度、公立化した場合の長期的な収支見通しや地域ニーズなどについて調査、分析を行い、大学運営の専門家や教育関係者らによる有識者会議を立ち上げる方針。専門的、客観的な見地から評価してもらう。
美作大学の前身は、1967年に創立した美作女子大学。2003年に男女共学になり、名称も美作大学に。食物、児童、社会福祉の3学科があり、24年5月現在の学生数は835人。少子化の影響で「今後の存続が危ぶまれる」として、同年1月、美作学園は市に公立化に向けた検討を求める要望書を提出していた。併設の短期大学部は25年度末で廃止されることが決まっている。
谷口圭三市長は「高等教育機関を存続させる意味合いでは公立化は効果的、現実的な選択ではないか」と前向きな姿勢を示した。
美作大をめぐっては、同窓会や後援会が公立化を求める署名活動を行い、24年8月に約2万9千筆を市に提出している。岡山経済同友会津山部会や津山市医師会、市連合町内会も市に大学存続や公立化の検討などを求める要望書を提出している。