上方落語の桂米団治(よねだんじ)さんが原画を描いた大絵馬が、京都市東山区の安井金比羅宮に奉納された。人間国宝だった父・米朝(べいちょう)さんがこの神社で落語会を開いていた縁で、2021年の新春分から手がける。来年は米朝さんの生誕100年。巳(み)年にちなみ、白ヘビが宝船に乗ったおめでたい絵柄だ。
大絵馬は幅約2メートル、高さ約1・7メートル。米団治さんの油彩の原画を大きくした。悪縁を切り、良縁を結ぶことで知られる神社の本殿に12月17日から掲げられている。白ヘビは幸運を招くとされる。
米朝さんは1966年、落語会「桂米朝落語研究会」を神社で始めた。半世紀以上たった今も、米団治さんをはじめ一門の落語家が開いている。大絵馬は、新年最初の落語会がある来年2月3日まで飾られる予定という。
禰宜(ねぎ)の杉田潤さんは「お宝満載の宝船に、みいさん(白ヘビ)が乗る。おめでたい大絵馬です」と話す。
米団治さんは「趣味で油絵を描いていまして、(安井金比羅宮から)毎年依頼をいただいています。宝船は幸運の象徴。来たる巳年がいい年になりますようにという思いを込めました」と話した。父・米朝さんが来年生誕100年を迎えることには、米団治さんは「来年は昭和100年。昭和とともに歩んできた父の偉大さをもう一度多くの人に知っていただければ」という。