日本維新の会の党大会で発言する前原誠司共同代表=2025年3月1日午後2時23分、東京都千代田区、上田幸一撮影

 日本維新の会は1日、東京都内で党大会を開き、衆参両院での「与党過半数割れ」を掲げた2025年の活動方針案を採択した。少数与党の国会で「さらなる公約の達成」を図る。一方、相次ぐ不祥事を念頭に「ガバナンス強化」も打ち出した。

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 活動方針案は、25年度当初予算案の修正をめぐる自民、公明両党との政策合意を、「日本の現状を変える大きな転換点」と評価。高校授業料の無償化として26年度から実施する私立校に通う子のいる世帯への支援金の加算などについて、「着実に履行する」と明記した。吉村洋文代表(大阪府知事)は党大会でのあいさつで、「批判されることもあるが教育への投資は絶対必要だ。(自公との)3党合意を前に進めていく」と話した。

 続いてあいさつに立った前原誠司共同代表は、立党以来初めて、政府の当初予算案に賛成することに触れ「自公の補完勢力ではないかという方がもうかなり出てきています。我々はそれに屈してはいけない。我々は野党なんです」と強調した。

 活動方針案は、与党と協議を続ける社会保険料の引き下げに関して、「しがらみのない維新にしか言えない社会保障改革を実現する」とした。3党は今後、政策責任者による協議体を設置する。吉村氏は「完全に岩盤になっているのが社会保障だ。社会保障改革をやるという一点に集中して前に進めていきたい」と語った。

 また活動方針案は、今回の政策合意は昨秋の衆院選で与党が少数に転じたことで実現したと総括。さらなる公約の実現に向けて、夏の参院選でも与党の過半数割れを目指すとした。昨年の活動方針に盛り込んだ目標を再び明記し、衆参両院で少数与党の実現を掲げた形だ。

 一方、衆院選では維新も6議席を失い、馬場伸幸前代表が退任。敗因について「維新が何をしようとしている党か、国民から見てわかりにくかった」と分析した。吉村洋文代表(大阪府知事)の就任後も党勢は上向いていないが、活動方針案では、6月の東京都議選や地方選への積極擁立の方針を打ち出した。

 維新では、兵庫県議が昨秋の県知事選期間中に非公開情報を漏洩(ろうえい)するなど、不祥事が相次いでいる。こうした事態を受け、組織改革とともに「ガバナンスコード(運営指針)を策定し、政党法の制定を目指す」とした。

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