公職選挙法の改正案について説明する日本維新の会の音喜多駿政調会長=2024年5月7日午前10時59分、国会、小林圭撮影

 4月の衆院東京15区補欠選挙で、特定候補の陣営が他候補の演説中にマイクを使って大音量で話したり、選挙カーを追いかけたりしたことを受け、日本維新の会は7日、「選挙の自由妨害罪」の罰則強化を柱とした公職選挙法改正案を取りまとめた。維新の候補者に対しても、大声を出すなどの行為があったという。

 改正案では、各陣営から「選挙妨害」と批判された政治団体「つばさの党」(黒川敦彦代表)を念頭に、「著しく粗野または乱暴な言動」や「多数の者による選挙事務所または居宅への押し掛け」を選挙妨害の一例として明記する。

 また、「演説を聴取することを困難にする行為」と聴衆が判断した場合は、演説の妨害にあたることも例示。罰則を4年以下の懲役または禁錮から、5年以下に引き上げる。今国会での成立を目指し、与野党に働きかける方針。

 自民党の梶山弘志幹事長代行は同日の記者会見で「仮に選挙妨害を目的とした悪意を持った街頭演説が行われるならば、罰則強化を含め、今後の検討課題の一つになる」と述べた。

 一方、公明党の山口那津男代表は7日の記者会見で「現行法に基づいて、運用を改善していくのが妥当だ」と述べた。法改正は必要ないとの考えを示したもので、「何がその選挙の自由を妨げる行為になるのかを明らかにしていく作業が重要だ」とも指摘した。(小林圭)

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