絵本「大ピンチずかん」シリーズや「しごとば」シリーズなどの人気作で知られる、鈴木のりたけさん。絵本作家となった今、「手先が器用だった」という母親からの影響を再確認すると言います。

 母の仕事で一番最初の記憶として残っているのは、保育士です。自分が通う保育園で保育士をやっていた。誕生日の園児へのプレゼントやアルバムを家で作っていた記憶があります。手先が器用でした。

 今の僕にぴったりつながるようで、気持ち悪くてあんまり言いたくないんだけど、自分で絵本を作って読み聞かせていた。王子が姫を助けるみたいな話。子ども心に「なんだかなあ」と思ってました。「どうせ助けに来るんでしょ」って。でも、絵本は親と子の接点でもあるから、親が作った絵本を読み聞かせる行為や時間自体が大事なのかもしれません。絵本の仕事につくまではすっかり忘れていましたが。

 僕は小学校から、野山で走り…

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