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インタビューに応じる細川護熙・元首相=2024年12月、東京都品川区
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連載「宮沢喜一日録 戦後政治の軌跡」

 宮沢喜一氏と、細川護熙氏。自民党の長期政権が崩れ、非自民連立政権が生まれる中で首相の座を継いだふたりだ。2007年に亡くなった宮沢氏が40年間記した政治行動記録「宮沢喜一日録」からは、政治人生の節目で宮沢氏に相談し、「親心」を感じてきた細川氏の姿が浮かぶ。

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 1993年夏、政治とカネの問題で分裂した自民党は衆院選で過半数を割って下野。首相は自民党総裁の宮沢氏から日本新党代表の細川氏へと代わった。「日録」によると、細川氏は94年4月までの首相在任中に4回、面会や電話で宮沢氏とやり取りしている。

 内閣発足間もない頃には、静養先の長野・軽井沢のホテルで引き継ぎの懇談があった。朝日新聞が撮影した写真が残る。政局の激動とは別世界のような和やかさだ。

 細川氏は、肥後藩主だった細川家の18代目当主で、朝日新聞記者を経て1971年に政界入り。その頃は自民党の参院議員だった。2024年12月に東京都内のアトリエでインタビューに応じ、宮沢氏との縁を振り返った。

 「父(護貞氏)や牛場友彦さ…

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