太平洋戦争中に金属不足で鋳造が始まったが、終戦で発行されなかった陶製の貨幣約50万枚が、当時の製造会社(京都市東山区)の敷地内にある倉庫から発見されたと造幣局が9日発表した。
発見されたのは、木箱15箱に入っていた円形の1銭陶貨(直径15ミリ)。陶貨の両面には富士山と桜花がそれぞれあしらわれている。1銭、5銭、10銭の陶貨は計約1500万枚製造されたが、終戦後に破棄されたために「幻の貨幣」と言われ、大量の発見は珍しいという。
陶貨の引き渡しを受けた造幣局では造幣博物館などで展示する予定。1銭は1円の百分の一の価値だが、造幣局担当者は「資料的価値は高い」と話している。