弁護人からの質問に答える須藤早貴被告=2024年11月8日、和歌山地裁、絵・岩崎絵里

 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん(当時77)に多量の覚醒剤を摂取させ2018年に殺害したとして、殺人などの罪に問われた元妻の須藤早貴被告(28)の裁判員裁判が11日、和歌山地裁で開かれ、被告人質問の2日目があった。

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 須藤被告は、検察側から野崎さんが死亡した理由について問われると「『死にたい』と言っていたので、自殺の可能性がある。(覚醒剤の)量を間違えたこともありうる」と述べ、殺人事件とは限らないとの認識を示した。

 この日、検察側の質問に先立って午前に行われた弁護側の質問では、野崎さんに覚醒剤を口から摂取させて殺害したとする起訴内容について「一切ありません」と、改めて否認した。

 須藤被告は8日の被告人質問で、「野崎さんに覚醒剤を買ってくるよう頼まれた」と供述した。11日の被告人質問では、裁判で初めて覚醒剤を買ったことを認めた点について検察側に問われると、「頼まれて買いましたが、偽物でした。そういっても信じてもらえると思わなかった。余計疑われると思ったので言いませんでした」と話した。

 また検察側は、9月にあった冒頭陳述で、野崎さんと18年2月に結婚したその月から、インターネットで《完全犯罪》《薬物》《老人 死亡》などの言葉を検索していたと指摘。須藤被告は、この日の被告人質問で「不気味な事件や未解決事件、サイコパスが好きで調べた」と述べた。

 被告人質問は15日も開かれ、裁判員が被告に質問する。(伊藤秀樹、周毅愷)

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