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能登半島地震の被災地で高齢者の救護活動にあたる医師や看護師=2024年1月13日、石川県珠洲市、古河赤十字病院提供
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 茨城県内で24人が亡くなり、1人が行方不明になった東日本大震災。その避難生活では、病気や体調悪化で亡くなる災害関連死が42人に上り、うち8割が66歳以上だった。災害から逃れ、助かった命をどうつないだらいいのか。当時の体験者たちの記憶からたどる。

長引く避難、弱っていく男性

 7メートル近い津波が押し寄せ、5人が死亡、1人が行方不明になった北茨城市。5人が関連死で亡くなった。大津地区に住む久保田三枝子さん(75)は11日、地震が起きた午後2時46分に自宅で手を合わせた。

 久保田さんは、あのとき避難所にいた、ある高齢者の姿が今も忘れられない。

 発災から4日が過ぎたころ…

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