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2024年10月、米ミサイル駆逐艦ヒギンズなどが台湾海峡を通過した=米海軍第7艦隊ホームページから

 中国軍東部戦区は、米軍のミサイル駆逐艦と海洋測量船が10日から12日にかけて台湾海峡を通過したと発表した。米軍はしばしば同海峡での航行を実施しているが、1月に発足したトランプ政権下では初めてとみられる。

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 東部戦区は報道官談話で、全ての航行過程を追跡したとし、「米側の行動は誤ったシグナルを送り、安全保障上のリスクを高める」と批判した。

 中国共産党機関紙・人民日報系の「環球時報」は専門家の話として、米艦船が測量船を伴って航行するのは初めてだと報道。通常であれば1日で通過する距離を3日にまたがり航行したことから、海底の地質構造や気象データを収集したとみられると分析した。

 一方、中国国営中央テレビ(CCTV)は12日、米軍の動きには触れずに、東部戦区が台湾周辺海域で実施したパトロールや訓練について伝えた。この日は旧正月から15日目にあたる元宵節。台湾側の艦船に向けて「元宵節おめでとう」と呼びかける映像もあり、中台は同じ「中華民族」だとするメッセージを強調した。

 台湾国防部(国防省)によると、中国軍機による中台間の中間線付近での活動は11日午前6時までの24時間にのべ19機が確認され、うちのべ9機が中間線を越えた。

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