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 アフリカのサハラ砂漠南部に広がるサヘルで、安全保障の体制が大きく変わろうとしている。昨年、軍事クーデターが起きたニジェールでは米国が米軍の撤退方針を決め、入れ替わるように基地内にロシア軍が「入居」する事態になっている。

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 米国は、サヘル地域の過激派組織を監視する重要な拠点だったニジェールから米軍を撤退させる方針だ。米国務省によると、駐ニジェール米大使と米アフリカ軍幹部は4月25日、ニジェール政府関係者と、米軍の「秩序と責任ある撤退」に向けた話し合いを始めた。国務省のミラー報道官は声明で、クーデターが起きた昨年7月以降、「双方のニーズと懸念に対応する形で安全保障協力を続けることを協議してきたが、合意に達しなかった」と無念さをにじませた。

 米軍が撤退に向けて動く裏で、軍政側はロシア軍を「代役」として呼び込んでいる。「米軍とロシア軍が同じ基地で活動している」――。欧米メディアは3日、ニジェールの首都ニアメーの空軍基地で敵対する両者の「同居」を相次いで伝えた。オースティン米国防長官は記者会見で、報道について「ロシア軍は我々の設備にアクセスできない」とし、「部隊の保護という意味では大きな問題はない」と語った。

「入退居」でニアミス? 米仏の退場とロシアの浸透

 クーデター以前、ニジェールは、反欧米色を強める周辺国と対照的に「西側のとりで」とされた。米軍や仏軍は、ニジェール国内にドローン(無人航空機)でイスラム過激派を監視する拠点を設置。米国防総省によると、約1千人の米軍関係者を駐留させていた。

 しかし、クーデター以降、米…

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