ロイター通信などは8日、パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスの指導部が拠点を置くカタールに対し、米国がハマスを追放するよう求めたと報じた。停滞するイスラエルとの停戦協議を進展させるため、米国がハマス側に圧力をかける狙いとの見方もある。
- どこにもできない人質仲介交渉 今、世界が小国カタールを頼る理由
ガザでの戦闘を続けるハマスとイスラエルは、カタールや米国などの仲介で、10月下旬に停戦協議を再開した。だが、ロイターによると、ハマスは提示された停戦案を拒否。これを受け、米国はカタールに対し、ハマスの受け入れを止めるよう求めたという。
米CNNは9日、米国とカタールの関係者の話として、カタールがハマスの追放に同意し、ハマスに通告したと報道。一方で、ハマス幹部は報道を否定しているという。
ハマスは2012年、それまで拠点を置いていたシリアを出て、カタールに事務所を開設。カタールは親米国でありながら、アフガニスタンの実権を握るイスラム主義勢力タリバンも対外的な窓口を置いており、欧米とのパイプ役として「仲介外交」を展開し、国際社会での存在感を高めてきた。(イスタンブール=根本晃)