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米国のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談が28日、決裂した。予定されていたウクライナの希少資源に関する協定への署名も中止された。背景には何があり、今後はどうなるのか。ロシア外交や安全保障戦略を専門とする笹川平和財団の畔蒜(あびる)泰助・上席研究員に聞いた。
- トランプ氏、ゼレンスキー氏は「失礼」 テレビカメラ前で批判の応酬
ウクライナの安全保障をどう確保するか、その考え方の溝が埋まらないまま、ウクライナの希少資源に関する協定を結ぼうとする矛盾が露呈した形だ。
協定はゼレンスキー氏にとってはあくまでも「公正な和平に向けた一歩」という認識だったが、トランプ氏にはそうではなかった。
そもそもトランプ政権にとっては、ウクライナの希少資源は経済的な価値というよりも、国内政治の延長線上の話。支持者に向けて「(これまでの支援分を)取り返した」というアピールの側面が強い。それに対するいらだちも、ゼレンスキー氏にはあったのではないか。
今回のゼレンスキー氏の訪米…