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防衛省防衛研究所の兵頭慎治・研究幹事

 米国がウクライナへの軍事支援を一時的に停止すると、米メディアが3日報じた。ウクライナの継戦能力への影響が懸念される中、ゼレンスキー大統領がとりうる選択肢は何があるのか。防衛省防衛研究所の兵頭慎治・研究幹事(国家安全保障)に聞いた。

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 米国のトランプ大統領は早期停戦を目指しており、停戦の合意をゼレンスキー氏から得るために軍事支援の一時停止に踏み切ったのだろう。これはウクライナを交渉のテーブルにつかせるためのカードで、以前から想定されていた。

 米国の支援が停止されたままだと、ウクライナの現状の継戦能力は夏ごろまでには失われるとされる。米国の支援には長射程兵器といった代替のきかない兵器なども含まれており、欧州諸国だけで米国の穴を埋めるのは難しい。長期の支援停止は前線の軍の士気にも影響を及ぼすおそれがある。

 ロシアにとっては「棚ぼた」…

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