米バイデン政権が、中国からの電気自動車(EV)などの輸入品に高関税をかけると決めた。中国の安い脱炭素製品が米国に打撃となる「チャイナ・ショック」の再来を警戒するからだ。11月の大統領選を控えて打ち出された強硬策に、中国の反発は必至。両国が高関税をかけ合った「貿易戦争」が再び勃発するシナリオもあり得る。
- 米、対中制裁関税を大幅引き上げへ EVは4倍、半導体は2倍に
バイデン大統領に経済政策の助言をするブレイナード米国家経済会議(NEC)議長は、対中関税引き上げの発表に際して、記者団にこう強調した。「ミシガンやペンシルベニアは、中国の不公正な慣行によって打撃を受けてきた」
中西部ミシガン州や東部ペンシルベニア州は「ラストベルト」(さびついた工業地帯)と呼ばれる。ブレイナード氏の念頭には、巨額補助金に支えられた安い中国製品の流入が、製造業や雇用を深く傷つけた今世紀初頭からの「チャイナ・ショック」がある。
今回関税を引き上げるEVは…