米国のトランプ大統領は3日、メキシコに課すと表明していた25%の関税について、「発動を1カ月猶予する」と自身のSNSに投稿した。関税は4日から予定されていたが、メキシコとの協議で、関税の理由になっている合成麻薬や不法移民の問題で一定の進展がみられたためという。
米メディアによると、トランプ氏はまた、中国と24時間以内に関税問題について協議する可能性があると記者団に語った。トランプ氏は中国からの輸入品には、10%の関税を上乗せすると表明している。
トランプ氏は3日の投稿で、同日朝にメキシコのシェインバウム大統領と協議し、メキシコ側が米国との国境に1万人の兵士を送ることで合意したと明らかにした。兵士は、不法移民や合成麻薬フェンタニルが米国側に渡ることを阻むために配置されるという。
トランプ氏は、シェインバウム氏との話し合いについて「非常に友好的な会話だった」とした。関税発動が停止される今後1カ月の間に、両国の閣僚級で協議を続けていくとした。
シェインバウム氏も3日、自身のX(旧ツイッター)に同様の趣旨の投稿をした。米側の関税発動がいったん止まることを受け、メキシコ側が課すとしていた報復関税についても「1カ月停止する」ことを明らかにした。
トランプ氏はまた、同様に25%の関税を課すとしているカナダのトルドー首相とも3日朝に話し合いをしたと明らかにした。同日午後にも再び協議するという。
トランプ氏は1日、メキシコとカナダから不法移民や合成麻薬が流入し、米国民の脅威になっているとして、両国からの輸入品に25%の関税をかける大統領令に署名した。両国は反発し、即座に報復関税をかける方針を表明していた。
トランプ氏はまた、中国に10%の追加関税をかける大統領令に署名している。3カ国への関税の発動はいずれも4日。