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記者会見するFRBのパウエル議長=2024年12月18日、ワシントン、榊原謙撮影

 米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、昨年9月から3会合続けてきた利下げを停止すると決めた。物価高(インフレ)の沈静化が進んでいないことを踏まえた。トランプ政権の政策がインフレを再燃させかねないおそれもあり、FRBは慎重な政策運営を強いられそうだ。

 現在の政策金利は年4.25~4.50%。昨年12月会合まで続いた利下げで、ピーク時から1.0%幅低い水準となっている。FOMCでの政策金利の据え置きは全会一致。

 米国のインフレは、ピーク時に比べれば落ち着いてきた。2022年に一時約40年ぶりの前年同月比9%台を記録した米消費者物価指数(CPI)の上昇率は、エネルギー価格の低下もあり、24年9月には2.4%まで低下した。

 ただ、インフレ率はFRBの…

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