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死亡事故があった瑞穂ハイランドの簡易なウォータースライダー=2023年8月25日午後2時26分、島根県邑南町市木、高田純一撮影
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 島根県邑南町のレジャー施設で昨年8月、イベント中にウォータースライダーのような遊具で遊んでいた男児(当時8)が別の児童と衝突して死亡した事故で、県警は17日、イベントの引率責任者だった町職員(48)ら3人を業務上過失致死の疑いで松江地検浜田支部に書類送検し、発表した。

 ほかに書類送検されたのは、引率責任者だった町職員(25)と事故があった「瑞穂ハイランド」(同町市木)管理者の会社員(58)。川本署によると、3人は事故を防止するための適切な措置を講じなかった疑いがあり、容疑を認めているという。

 町や警察によると、事故は昨年8月24日、瑞穂ハイランドであった地元公民館主催のデイキャンプ体験で起きた。小学生10人が参加したイベントで、芝生にシートを敷いた簡易なウォータースライダーのゴール地点近くにいた男児が、上から滑ってきた別の児童と接触し、転倒。連絡を受けて駆けつけた男児の父親が、男児が呼吸をしていないことに気づき、119番通報して病院に搬送されたが、男児は、翌日亡くなった。

 事故時、近くにいたスタッフは1人だけで、男児は熱中症のような症状と判断し、速やかに119番通報しなかった。ウォータースライダーも事故後、直ちに使用中止にしなかったという。

 事故を受けて町は、弁護士や医師らで構成する事故検証委員会を設置。検証委は今年3月、イベントを主催した公民館スタッフの危機管理意識の希薄さが事故を招いたとする最終報告書を、石橋良治町長に提出した。(高田純一)

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