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2009年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)決勝・韓国戦で、勝ち越しの安打を放ち一塁に向かうイチロー

 マリナーズなどで活躍したイチロー氏(51)に近くまた一つ称号が加わる。アジア勢初の米殿堂入りだ。発表は21日(日本時間22日)にある。

 積み上げた安打は大リーグ通算3089本、盗塁は509個。3千安打に500盗塁は、いずれも殿堂に入るための野手の「目安」とされる数字だ。

 デビューが27歳という「ハンデ」もあっただけに、選出は確実だ。

 球界関係者の目にはどう映っているのか。

 昨年3月、イチロー氏と親交が深い日系4世のドン・ワカマツ氏に話を聞く機会に恵まれた。

 2009年~10年途中までマリナーズで監督だった人物だ。現在は米独立リーグ「B’s」の編成担当役員を務めている。

 ワカマツ氏は早くからイチロー氏の殿堂入りを確信していたという。背景には数字以上の理由があった。

 野球への覚悟だ。

 「彼ほど、野球に対して時間をかけ、献身的に取り組む人に私は会ったことがない」

 09年の開幕前の出来事が、今も脳裏にあるという。

 同年、イチロー氏は第2回ワールド・ベースボール・クラシックで日本代表の優勝に貢献し、遅れてマリナーズのキャンプに合流していた。

 ただ、久しぶりに顔を合わせた看板選手に、ワカマツ氏は違和感を覚えた。「少しやせていた気がしたし、顔色もよくなかった」

 オープン戦でも動きが悪く映…

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