国立大学が法人化されて、この春で20年。この間の政策や環境変化は、大学にどのような影響を与えたのか――。朝日新聞社は1~2月、学長と教職員に対し、この20年を振り返るアンケートを実施した。自由記述欄も含めた37問に、学長は全86大学の92%に当たる79人が回答した。全設問の結果を詳報する。

  • 【連載】国立大の悲鳴 法人化20年

【アーカイブ】人生の贈りもの

わたしの半生 物理学者・有馬朗人|第1次小渕恵三内閣(1998年7月~99年10月)で文部大臣をつとめ、国立大学の法人化に道筋をつけた、物理学者の故有馬朗人さん。法人化から11年経った2015年、朝日新聞のインタビューで法人化についての考えを吐露しています。連載「人生の贈りもの 私の半生 物理学者・有馬朗人」の一部を再掲します。(15年12月9日夕刊掲載)

 法人化後、大学間の格差とともに、専門分野ごとの教育・研究の格差も広がった、と指摘する声はアンケートで多くあった。

 「専門分野の違いによる研究環境の格差」について尋ねたところ、「拡大する方向」と答えた学長は31%。「どちらかと言えば拡大する方向」の62%と合わせると、大半が格差は広がったと考えていた。

 影響は学生の教育にも及ぶ…

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