写真・図版
東京学芸大学名誉教授の上野一彦さん=2023年4月、東京都渋谷区、宮坂麻子撮影

 改正障害者差別解消法が今年4月に施行され、障がい者への合理的配慮が私立の学校や大学にも義務づけられた。国連からも多様な子どもたちがともに学ぶインクルーシブ教育促進の勧告を受けた日本だが、なおインクルーシブ教育への壁は高い。学習障がいをはじめ発達障がいの子どもたちの教育に詳しい東京学芸大学名誉教授の上野一彦さんに聞いた。

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 ――学習障がいの親の会や学会の設立に携わっていらっしゃいました。

 1990年の全国LD親の会、92年の日本LD学会の設立に携わりました。学習障がい自体がまだ知られておらず、親が動かないと行政は動かないということで、各地の親の会を束ねたのです。93年には小中学校に「通級による指導」の制度ができましたが、学習障がいが指導対象になったのは2006年です。

 30年以上たち「学習障がい」という言葉は知られるようになりましたが、通常学級での教員の理解や支援、配慮は、まだまだ進んでいません。

 ――でも支援を必要とする子は増えています。

 文部科学省が、2002年…

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