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廃プラをリサイクルして水素をつくる設備=川崎市のレゾナック川崎事業所
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 昨年9月16日、JFEスチール東日本製鉄所京浜地区(川崎市川崎区扇島)の高炉の火が消えた。1世紀以上にわたって日本の近代化の象徴である火をともし続けてきた川崎臨海部は、5年後には新たに水素供給拠点として生まれ変わる。

 持ち株会社のJFEホールディングス(JFEH)と川崎市は5月28日、高炉や、鉄鉱石、石炭などを船から荷揚げし貯蔵していた場所を含む先導エリアの整備推進に関する協定を締結した。計画によれば、この約70ヘクタールには、5万立方メートルの水素タンクなどを備えた受け入れ基地ができる予定だ。製鉄の原料を運んでいた船舶が停泊できる首都圏で最も深い、水深22メートルの岸壁もある。

 高炉休止に伴い、扇島の川崎市側には約222ヘクタール、周辺を含めると約400ヘクタール(東京ドーム約85個分)という新たな土地が生まれる。JFEHの岩山眞士・専務執行役員は「都心でこれだけの大規模な土地が新たに出ることはめったにない。通常なら数十年かかる規模の開発だが、2050年までにほぼ完成させるスピード感をもってやっていきたい」と言う。

 JFEグループだけで手がけ…

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