出入国在留管理庁が日本国籍の成人を対象にした昨年の調査によると、誰かを外国人と認識する理由は、最多が「日本語能力のつたなさ」(44・6%)、次いで「見た目、身体的特徴」(39・6%)だ。年齢層で見ると、意外にも「見た目」を挙げたのは18~19歳で51・1%と最も多く、年齢層が上がるにつれ少なくなる傾向がみえる。
営業成績で表彰も
両親がタンザニア出身で、新潟生まれのムオンベキゆきこさん(29)は「『差別する日本』という一面ばかりが世界に伝わるのはいやだ」と話す。外国人が多くない地域で育ったが、嫌な思いをした記憶はないという。
東京で働くようになっても、職場で髪形に注文をつけられたり、接客で不快な言葉をかけられたりした経験はない。携帯電話の会社に勤めていた時は、営業成績が優秀で表彰もされた。
日本人の夫と結婚し、夫の実家で暮らす。出産後に起業し、被災地や過疎地で簡単に設置できる太陽光発電システムの普及を企画している。子どもの時に経験した中越地震や、時々訪れるタンザニアの風景が頭にあるからだ。
日本国籍はとっていないが「誰が何と言おうが自分は日本人」だと思っている。
外見の違いをどれぐらい意識するか、ということには、個人の経験も大きく影響していそうだ。
外国人と思ったことない
兵庫県姫路市の小さな集落で育った柳井康志さん(40)は、物心ついた頃から近所の家に上がり込んでは、同い年の男児と遊んでいた。
いま漫画家やタレントとして…