グーグルのロゴ=米カリフォルニア州マウンテンビュー、五十嵐大介撮影

 自由を謳歌(おうか)してきた「ビッグテック」と呼ばれる米巨大IT企業に対し、国家が逆襲している。独占禁止政策の、自由放任主義からの巻き戻しだ。「転換」はなぜ起き、どこへ向かうのか。

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 米連邦議会議事堂にほど近い、首都ワシントンの連邦地裁。1階の通路脇に、ワイヤが張りめぐらされた古めかしいグレーのラックが置いてある。米通信大手AT&Tがかつて使っていた電話交換機だ。

 1974年に反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴されたAT&Tは、その後会社を分割することで和解した。その近くのボードには、98年に米司法省が米マイクロソフト(MS)を提訴した裁判のいきさつが描かれている。企業の力の集中・巨大化に介入した、いわば政府の「戦利品」の展示コーナーだ。

グーグルが結んだ「密約」

 この裁判所を舞台に、四半世…

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