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諸富祥彦・明治大教授=本人提供

 中学受験や高校受験を経て進学校に入学したのに、不登校になり、退学せざるを得なくなる。そんなケースが後を絶たない。なぜ起こるのか。防ぐにはどうすればいいのか。スクールカウンセラーの経験もある諸富祥彦・明治大教授(学校臨床心理学)に聞いた。

 ――進学校で不登校になる背景は。

 試験で選別されて同じような学力の生徒が集まるため、入学前にどれだけ勉強ができても、成績が低迷するリスクがあります。大学進学を見据えて、生徒の能力の中でも学力が重視されがちな雰囲気もあり、挫折感や劣等感を感じやすい状況にあります。

 宿題が大量に出たり、準備すべき試験が多かったりして、学習量を確保できずについて行けなくなるリスクもあります。中高一貫校なら6年間、同級生が変わらないので、学力による序列が固定化する傾向もあります。入学後に学力が急に上がることは少ないからです。

 ――受験して入った学校を不登校になるケースは多いのでしょうか。

 特に私立は中退率といった自校に「不都合」な数字を出さないので不透明ですが、学力や進学を巡る悩みが不登校につながりやすいと言えるでしょう。

 実際、そうしたケースについての相談を受けることがよくあります。

記事の後半では、リスクを避けるための学校選びの具体的な方法について助言があります。

 ――相談というと。

 公立中でスクールカウンセラ…

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