逃げ出したり放されたりして野外に定着した人工改良品種について、どう扱ったらいいのか。責任をもって飼うために知っておいた方がいいことは。研究者や、ペットの魚を扱う業者に聞いた。
ペットの魚を川や池に放流しないで
「観賞魚を川や池に放流するリスク」。2023年、観賞魚の水槽レンタルなどを手がける東京アクアガーデン(東京都)はペットの魚を川や池に放流しないよう呼びかけるコラムを自社サイトに出した。
コラムでは、野外に放すと在来の魚との餌の奪い合いや交雑などによって深刻な影響を及ぼす可能性があるほか、影響が大きければ特定外来生物に指定されることもありえること、そうなれば許可なく飼うことはできなくなることなどを記した。水草も含めて放流はせず、最後まで責任を持って飼い、どうしても飼いきれなくなったら引き取り先を探してほしいと訴える。
ヒトによってつくられた生きものが、本来いないはずの野外でじわりと広がっている。ヒトの管理下で飼われ、栽培されるはずだった故郷なきものたちが逃げ、時に放たれ、地域本来の自然を脅かしている。
広報の中島慧子さん(40)…