プラスチックをごみにしない社会は可能だろうか。九州の西方に浮かぶ、長崎県平戸市の生月島。漁業が盛んなこの島では、プラスチックを地元の資源としてリサイクルする挑戦が続いている。

  • 拾ったペットボトル487本 プラごみが壊す世界遺産のマングローブ

 取り組みは、水産業関係者らの「海も漁業も守りたい」という思いから始まった。

ふるさとの海を守るために、立ち上がった漁協組合長

 島の舘浦(たちうら)漁業協同組合の組合長、鴨川周二さん(69)は、生まれ育った島の海の環境が年々悪くなっていることに心を痛めていた。島の海岸の岩場には、漁網や漁具用の浮き、発泡スチロール、ペットボトル、靴などさまざまなごみが漂着する。ほとんどが中国や朝鮮半島から流れてきたものだという。

海岸の岩場に漂着した漁網=2024年7月9日、長崎県平戸市生月町南免

 5年ほど前から、漁協職員や地元の住民に呼びかけて、漂着ごみを回収する。だが、数カ月もすればまた大量のごみが漂着し、「本当に無間地獄」だという。

 海を守るために、ごみの回収…

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