名古屋市立大の吉田輝美教授=本人提供

 親に介護が必要になったとき、子どもには何ができる? 在宅か施設か、どちらを選んだらいい? そんな疑問について、名古屋市立大の吉田輝美教授(高齢者福祉)に聞きました。

 ――親の介護に、子どもはどう向き合ったらいいのでしょうか。

 まず、親世代はどう考えているのでしょうか。今の70~80代の中には、「自分の介護で子どもに苦労をさせたくない」と思っている人は多いです。

 自分たちが親を介護した時代に、施設に入所させることはひどいことのように言われ、つらい思いをした。在宅介護、時には「嫁介護」を頑張り続けて苦しかった。そんな記憶があるから、老いた後のことは自分でなんとかしようと思う人たちが増えてきています。

 ――そう考える人は多そうですが、実際には子どもが関わることもあるのでは?

 はい。親が年を取っていけば、子どもが介護の意思決定に参加しないと成り立たない場面はたくさんあります。

 例えば、脳卒中になって救急搬送され、後遺症が残って自宅に帰れない場面。認知症になって意思表示がうまくできなくなってきた場面。そんな時には子どもが親と一緒に、どうするのがいいのか考えざるを得ないでしょう。

 ――どうすればよいのでしょうか。

 親が困っている時には、行政…

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