7日の東京都議補選での惨敗で、裏金事件の根深い不信を改めて突きつけられ、ショックを受ける多くの自民党議員とは対照的に、元環境相の小泉進次郎(43)は興奮を隠せずにいた。「奇跡の勝利だ。都議補選とは違い、公明党もしっかり動いてくれた」

 同日に投開票された神奈川県の綾瀬市長選。自民系の分裂選挙となったが、自民推薦の前市議が野党系候補に競り勝った。党県連会長の小泉は、自身の選挙区ではないにもかかわらず、7日間の選挙期間中に2度、現地に入り、街頭で「政治とカネの問題は、国会議員の責任。地方議員には関係ない」と訴えた。裏金事件での逆風下、自民が各地の選挙で負けが続いていただけに小泉の喜びはひとしおだった。

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衆院島根1区補選で応援に入る小泉進次郎元環境相=2024年4月20日、松江駅前、川辺真改撮影

 勝利から2日後、余韻に浸る小泉は政治の師と仰ぐ前首相の菅義偉に勝利を報告。首相の岸田文雄と距離を置く菅は面会後、手柄を挙げた小泉を周囲にこう評した。「選挙の顔として、ずば抜けているよね」

 市長選の演説会場では車に乗…

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