ロンドンの首相官邸前で2024年5月22日、総選挙の実施を表明した英国のスナク首相=AP
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 7月4日に実施される英国の総選挙は、与党・保守党の歴史的大敗が濃厚な情勢です。英国政治の現状と今後について、マンチェスター大のロバート・フォード教授に聞きました。

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 ――保守党の支持率が20%未満という世論調査も出ています。

 もし保守党の得票率がそのようになれば、(選挙権を中産階級にも拡大する法律が制定された)1832年以来、最低となります。選挙の歴史における最大の転換点の一つを我々は目撃しようとしているのです。

 ――保守党にとって「最善のシナリオ」はどのようなものですか。

 1997年に大敗を喫した際は、165議席の獲得に終わりました。ただ、現状を考えると、スナク首相らは150~170議席取れたら安心するでしょう。

 つまり、本当に異常な状態なのです。英国では選挙区で2位になっても議席を得られません。「ワイプアウト」(一掃)と言って、保守党が壊滅状態になることすら議論されています。世論調査を見る限り、ありうる結果だと思います。

■早期実施の狙いは「敗北を小…

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