女性が長女に買った教材の一部。すでにかなりの数が自宅にあるが、女性は「これでも足りない、と思ってしまう」という=女性提供
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 東京都の40代の会社員女性は、小学校低学年の長女が年長の頃から、大手学習塾に通わせている。中学受験の準備のためだ。

 入試まではまだ時間があるが、すでに塾からかなりの量の宿題が出ている。そのため朝は早く起きて塾の宿題などをやる習慣をつけさせた。隣に座って採点をしたり、わからないところを教えたりする日々だ。

 自ら取り組むまで待つのがベストだとは分かっているが、放っておいても自ら勉強を始めることはなかなかない。親が手間をかけなければ受験で不利になると考えた。

 ただ、女性には悩みがあった。

 長女にできない問題があるとつい言葉がきつくなり、時に激高してしまうことだ。

 昨年のある日の朝、算数の文章問題が解けず、長女の手がとまった。「問題文を整理して図に書こう」。いらだつ気持ちを抑えながら、何度も言ってきた指示を繰り返した。

長女に激高して暴言を吐いてしまい、そのたびに後悔を繰り返す女性。長女に、気になる変化が生じ始めたといいます。後段では、怒りのコントロールの仕方に関する専門家の提案を紹介します。

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■「何回言ったらわかるの!」…

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