写真・図版
イラスト・廣戸美香

 全国で昨年上半期に孤独死した人のうち、15~64歳の「現役世代」が約24%を占めました。自ら将来の孤独死を予測し、見守りサービスを利用する人も増えています。

 現役世代にはどのような特徴があり、孤立のリスクを減らすにはどうすればいいのでしょうか。「就職氷河期世代」(中公新書)の著者で、労働問題に詳しい東京大学社会科学研究所の近藤絢子教授(労働経済学)に聞きました。

 ――自身の孤独死を予想するエミさんは44歳です。現役世代の中でも、どのような世代なのでしょうか。

 今40~50代半ばの人たちは「就職氷河期世代」と言われています。1970年代~80年代前半に生まれ、バブル崩壊の直後に就職活動を経験した世代です。

 この世代の傾向として、安定した収入を得られず、親に経済的に依存している人が少なからずいます。「ワーキングプア」と言われる年収200万円以下の状態で、自活するのが難しい状況にあります。

  • 【エミさんに聞きました】「50代のうちに潔く」と思う一方で…

 ――どのようなリスクがあるのでしょうか。

 「氷河期世代」は親の年金を頼りに生活しているケースが多く、この状態だと、親の介護が必要になったり、親が急逝したりすると、経済的に一気に困窮してしまう可能性があります。

 ――このリスクは氷河期世代に特有のものなのでしょうか。

 就職状況や平均年収で、バブ…

共有