YOASOBI 仕掛け人たちの楽屋裏③
「小説を音楽にする」というコンセプトで活動する2人組ユニットYOASOBI。昨春配信した「アイドル」は国際的な音楽チャートで1位を獲得しました。そんな国内外での活躍の陰には、結成時から2人を支えてきたスタッフたちがいます。その楽屋裏に迫りました。=敬称略
- (連載初回)YOASOBIの歯車が動き出す 帰り道が一緒になった他部署の2人
2022年12月、動画投稿アプリTikTokで、音楽ユニットYOASOBIが2年前に出した楽曲「たぶん」の視聴数が急に跳ね上がった。撮影された人物の顔や姿が漫画のキャラクターのようになる「Aiマンガフィルター」という機能のバックミュージックとして使う人が続出し、各国の有名人らにも広がっていたのだ。
「すごいよ、こんな人もやっている」
ソニーグループ傘下の米音楽配信会社「The Orchard(ジ・オーチャード)」で日本部門ナンバー2を務める増田雅子の元に、海外の拠点からそんなメールが次々に届いた。オーチャードはYOASOBIの楽曲をSpotifyやApple Musicなどの配信プラットフォーマーに提供。各国で曲がどう聴かれているかの詳しい分析も手がけている。
YOASOBIを支えるスタッフでもある増田は、プロデューサーを務めるソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)の屋代陽平と山本秀哉にも「たぶん」の情報を伝えた。
「これはいい状況だ。ノリでやってみよう」
屋代はすぐにYOASOBI…