「やりたいことの種がたくさんある。人脈が一気に広がり、次々と芽が出てきてワクワクする」。星千夏(ちなつ)さん(18)は、札幌市から長野市に移り住んで約1カ月半の変化をそう話す。
この春、「さとのば大学」に入ったのは、野外教育を学ぶ大学に落ちたから。浪人も頭をよぎったが、移住先で自ら決めたプロジェクトに取り組む「さとのば大」の学び方に興味を持った。
- 地方での実践通じた学びが糧に 「さとのば大」発起人の信岡良亮さん
幼少時からアウトドアが好き。中学生の夏には一人でグアム島の自然体験プログラムに参加し、高校は海も山もある北海道・奥尻島に「離島留学」して寮生活を送った。移住先を長野市にしたのは、子ども向けのキャンプなども企画できそうと思ったからだ。
縁が全くない地で不安もあったが、受け入れ事務局の女性の紹介や、イベントでの偶然の出会いで、知り合いが次々と増えている。「子どもと自然の催しに関心がある」と話したら、県内の里山で体験活動をしている人とつながった。民宿の主人は「うちを催しの会場として使ってもらってもいい」と言ってくれた。
手話を動画などで独習していると話したら、聴覚障害のある人を紹介してくれた人もいた。「初めて実際に『会話』を体験できた。手だけでなく、口や表情の動きも大切だと知って、そうなのかと思いました。定期的に体験会もあるというから通いたい」
実は、「自分に自信が持てな…